もしあなたが「不景気だから、今年は広告費を絞ろう」と考えているなら──
その判断は、あなたの会社をじわじわと営業不能に追い込む毒薬だ。

顧客からの問い合わせは減り、競合の情報ばかりがネット上に出回る。
やがて展示会ではブースに誰も立ち寄らなくなり、売上も減少していく。
そうして静かに、だが確実に、市場から姿を消していく企業が後を絶たない。

だが、これは最大のチャンスでもある。
なぜなら、不景気は多くの企業が広告活動を止める“空白期”だからだ。

そのため、このタイミングで広告を打ち続ける企業だけが、
競合のいない静かなフィールドで、顧客の記憶に留まることができる。

いまこのブログを読んでいるあなたには、まだ希望がある。
正しい行動を選びさえすれば、
この不況を利用してライバルを蹴散らし、主導権を握る立場に立てる。

そのために、やるべきことはたったひとつ──
広告費を“攻め”に転じよ。いまこそ動け。

不景気こそ、広告を増やせ

まず、頭に叩き込め。
不景気こそ、広告費を増やせ。

この原則を理解できない者に、マーケティングを語る資格はない。
ましてや、経営者として指導者として、誰かを率いる資格など断じてない。

なぜか?
景気が悪くなると、ほとんどの企業が自動的に「防御モード」に入るからだ。

✔︎ 広告費の大幅削減
✔︎ 営業社員のリストラ
✔︎ 新規客の開拓活動停止

──これが、多くの企業が何の疑いもなく選ぶ「常識的対応」だ。
だが、ここに最大の裏切り者が潜んでいる。
この「守りの常識」こそが、市場からの消滅を加速させる毒である。

広告の声が消えれば、市場は静寂に包まれる。
そして、静寂の中でたった一社、広告を打ち続ける企業があれば──
その存在は群を抜いて際立つ。顧客の脳裏に、くっきりと焼き付く。

想像してみろ。

敵の砦が丸ごと無人になり、城門が開きっぱなしになっている。
誰も守っていない、誰も攻めてこない。
そんな城を前に、あなたは攻め取らずに見守り続けるつもりか?

攻めよ。
不景気とは、戦わずして勝てる、数少ないチャンスである。

この真実に気づかぬ者は、景気が回復する頃には、
市場から忘れ去られ、存在すら認識されない哀れな企業となるだろう。

競合が消える──市場を独占せよ

競争相手が、広告費を削る。
認知活動を止める。
営業活動を縮小し、声を潜める。

──結果、市場は静まり返る。

そんな中で、唯一、
広告を打ち続けた企業だけが、顧客の心に、深く、鮮やかに刻み込まれる。

不景気とは、市場から競合が「自滅」していく異常なタイミングなのだ。
これを攻めずにどうする。
シェア拡大の絶好機、まさに「無血開城」の好機である。

あなたの会社が広告を打ち続ければ、顧客はこう感じるだろう──

「苦しい時も、この会社は活動を止めなかった。頼れる存在だ」

単なるイメージ戦略ではない。
顧客心理を直撃する、最強の信頼構築方法だ。

リーマンショック後の調査でも明らかだ。

広告を打ち続けた企業は、
景気回復と同時に売上を爆発的に回復させた。

一方で、広告を止めた企業は、
回復のチャンスを掴めず、市場から静かに姿を消した。

生き残ったのは誰か。
攻め続けた者だ。

守りに入った者は、滅びた。
──これが、抗いようのない現実である。

広告で攻め成功したP&G、守り失敗したコカ・コーラ

歴史は、冷酷な事実を叩きつけてきた。
「広告費を削った者は、滅びる」と。

特に不景気──混乱の最中に、その差は容赦なく現れる。

まず、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)だ。
2020年、パンデミックによる世界的不安の中、
多くのグローバル企業が広告費を削り、身を縮めていた。

だが、P&Gは違った。
「広告費を削ってはならない」と、真逆の判断を下した。

結果はどうなったか?

彼らは売上を着実に伸ばし、市場シェアを拡大。
混乱の中でも、「市場での存在感」と「選ばれる理由」をさらに強化した。
P&Gの攻めの広告戦略は、完全に正しかったのだ。

一方、コカ・コーラ
彼らは、パンデミック初期に広告費を大幅に削減。

その結果、消費者の購買心理から「忘れられ」、
比較検討の土俵からも、自ら転落していった。

さらに、攻め続けたペプシに、シェアを奪われる屈辱。

短期的なコスト削減のつもりが、
長期的には顧客との接点を自ら断ち切り、
「コーラ=コカ・コーラ」という圧倒的ポジションさえ
危うくする羽目になった。

不景気で「広告を止めた者」と「広告を増やした者」──
この2社の選択が、
その後どれほど大きな差となったかは、誰の目にも明らかだ。

勝者はただ一人。
攻め続けた者である。

「不況だから守る」は、敗北を自ら宣言することと同じなのだ。

出典:https://www.marketingweek.com/mark-ritson-pg-coke-dont-cut-ad-spend/?utm_source=chatgpt.com

攻めの広告で、未来を支配せよ

脳に叩き込め。
不景気とは──
戦わずして市場を制圧できる、奇跡のタイミングである。

あなたが、不況時に広告を打てば、
ライバル企業が眠っている間に市場を奪える。
信頼を奪える。
未来を奪える。

広告費は単なるコストではない。
未来を買うための、唯一の武器だ。
しかも、割安で未来を買える「不況時」が、絶好の買い時だ。

広告を止めた企業は、景気回復後にいくら広告を再開しても、
市場の信頼を取り戻すことはできない。

顧客の選択肢から外され、
誰にも相手にされない“終わった会社”の烙印を押されるだけだ。

逆に、不況時に攻めた企業だけが、
景気回復と同時に市場を一気に飲み込み、
問答無用で支配者の座を手にする。

だから命令する。
不況時こそ、広告費を増やせ。

それこそが、
あなたの会社が市場で勝ち続ける、唯一無二のマーケティング戦略である。