もしあなたが──
「営業は固定給で十分だ」
「うちはチームワーク重視だから」
「社員に利益を渡しすぎるのは不安だ」
そう本気で思っているのなら、今すぐこのページを閉じるべきだ。読む価値はない。
なぜなら、その発想こそが、あなたの会社の売上を止めている“元凶”だからである。
営業の給与体系やインセンティブ制度を、単なる“経費”としか見ていない限り──
あなたの会社も、今後数年で間違いなく競合に追い抜かれる。
「うちは技術で勝負している」
「営業の仕事は、社内での根回しや調整だ」
「チームで動く会社だから個人報酬はいらない」──そのすべてが、“時代遅れの妄想”だ。
いま、あなたの会社は“令和の戦場”に“昭和の武器”で挑もうとしている。
しかも、防具すらつけず、丸腰で。
そのまま突っ込めば、どうなるか?
言うまでもない。“討ち死に”である。
「営業に利益の100%を渡せ」──
これが、中小半導体企業に残された唯一の新規開拓戦略だ。
耳を疑うかもしれないが、これは気合や根性論ではない。
マーケティングの合理性に基づいた、極めて実利的な戦略である。
インセンティブこそが新規開拓戦争の最終兵器
営業に全利益を与える覚悟がなければ──
中小半導体企業は、これからの新規開拓戦争を勝ち続けることができない。
なぜか?
理由はシンプルだ。
今この瞬間も、ライバル企業たちは「とにかく受注を取る」ために、
“血を流すような値下げ”を平然と繰り返しているからだ。
本来売るべき価格から10%、20%と値引きを重ね、
粗利は数%──下手をすれば赤字寸前。
そんな薄氷の上で、彼らは新規を取りにいっている。
この戦い方で、あなたの会社がまともに利益を確保できると思うか?
無理だ。絶対に無理だ。
仮に──
あなたの会社とライバル会社が、同じ価格、同じ納期、
同じ性能、同じサポートを顧客に提示していたとしよう。
このとき、顧客は最終的に何を基準に選ぶだろうか?
答えは明白だ。
「誰がそれを売ってきたか」──営業“個人”の力である。
営業の熱量、言葉の説得力、レスポンススピード、ひととなり。
つまり、“人間の力”こそが勝敗を決する最後の一手なのだ。
では、その営業に本気で戦ってもらうにはどうすればいいのか?
答えはただ一つ。
✔︎ 営業は “お金”で動く。
✔︎ 営業に “熱”がなければ、受注は取れない。
✔︎ その “熱”を生み出すのが、インセンティブ(歩合)である。
勘違いしてはいけない。
これは「歩合制度を導入しましょう」などという生ぬるい話ではない。
必要なのは、会社としての“戦略的な意思表示”だ。
「利益の全てを営業に還元する」と宣言すること。
それが、営業の“本気スイッチ”を入れる唯一の方法である。
たとえば──
新規案件の売上が1億円だったとする。
そこから原価、販管費、諸経費を引いた残り1,000万円が純利益。
この1,000万円を、まるごと営業社員に渡したとしたら?
「そんなバカなことができるか!」と叫びたくなるだろう。
だが、冷静に考えてみてほしい。
その営業が、その1億円の案件を持ってこなければ──
その1,000万円という利益自体、あなたの会社には存在していなかった。
つまり、この1,000万円は「経費」ではない。
“最高効率の広告費”であり、“再現可能な新規獲得装置”である。
利益は「残ったから社員に分ける」のではない。
「新規獲得のため先に社員に渡す」のだ。
これが、勝ち続ける企業と、沈んでいく企業の考え方の違いである。
赤字から始まる勝利の方程式──新規には採算ギリギリで売れ
今すぐに、営業が「稼げる仕組み」をつくれ。
利益の100%を渡してもいい。いや──渡すべきだ。
それこそが、“新規獲得のための必要経費”なのだ。
もしあなたが今後も事業を伸ばしたいなら、
「新規客は無料(固定費だけ)で獲得できる」という甘い幻想は今すぐ捨てろ。
現実の半導体市場では、新規獲得には必ずコストがかかる。
そして、そのコストの本質は「広告」や「展示会」ではない。
「営業への成果報酬」こそ、最も費用対効果の高い投資である。
これに気づかない経営者は、広告にお金をばらまき、
倉庫でホコリをかぶるITツールに数百万円を注ぎ込み、
その結果、営業のやる気を根こそぎ奪ってしまう。
さらに言えば──
新規客からいきなり利益を取ろうとしてはいけない。
これはマーケティングの大原則だ。
「新規で利益を出す」ことを前提に事業を組み立てた会社は、すべて失敗する。
なぜなら、新規顧客とは、まだ信頼も関係性も築けていない相手にすぎないからだ。
だからこそ、新規顧客には“採算ギリギリか、
少し赤字になるくらいの価格”で販売せよ。それが正解だ。
ここでケチる経営者は、未来の利益を自ら放棄しているのと同じである。
では、その赤字をどう回収するのか?
答えは決まっている。
✔︎ リピート受注
✔︎ 定期契約
✔︎ 保守サポート
✔︎ 月額(サブスク)モデル
これらで利益を回収する。
これが、仕組みとしてのマーケティング戦略である。
この仕組みを持たないまま、新規開拓という熾烈な戦場に飛び込むのは──
スクール水着で五輪決勝に出場するようなものだ。
スタートの合図が鳴る前から、勝負はついている。
営業に稼がせる仕組みこそ、中小半導体企業の最後の切り札
「事業を成長させたいのなら、社員に稼がせろ」──これが現実だ。
営業に与えよ。すべてを与えよ。
これこそが、シンプルでありながら絶対に破ってはならないルールだ。
「営業が動かない」と嘆く前に、自問せよ。
あなたは営業が本気で動きたくなる“仕組み”を作っているのか?
それを作らずに不満を口にするのは、経営者としての怠慢にほかならない。
迷っている時間はない。
インセンティブ(歩合)制度は、あなたより先にライバルが導入した瞬間、
武器ではなくなる。だからこそ、今すぐ動くことに価値がある。
これこそが、中小半導体企業が“負けない会社”になるための、
唯一にして、最短の方法なのだ。