もし社長であるあなたが──
「経営方針は、役員や社員と話し合いながら、みんなで決めるべきだ」
「部下の自主性を尊重するのが、良き経営者のあり方だ」
「たとえ間違っていようとも、やる気があるならやらせてみるのが正義だ」

──などと思っているのなら、今すぐその幻想を叩き壊せ。

たしかに民主主義は、国家という巨大で複雑な組織を動かすには必要不可欠な仕組みだ。
だが、企業経営──とくに中小の半導体企業においては、“毒”である。

なぜなら、「民主的な経営」は、
ほとんどの場合で“重大な判断ミス”や“致命的な遅れ”を招くからだ。

もちろん、あなたの部下たちが本気でマーケティングや経営戦略を学び、
自ら情報を発信し、SNSや動画で成果を上げているのなら──
その意見に耳を傾ける価値はある。だが──現実は、そうではない。

・自分が会いたいという理由だけで、人気女性アイドルにCM出演を依頼する
・自分がゴルフ好きというだけで、女子プロツアーにスポンサー出資を決定する
・自分が“良い人”に見られたいがために、地元のスポーツクラブに大金を寄付する

これらはどれも、“経営判断”や“マーケティング”などではない。
私情と見栄にまみれた、ただの「浪費」にすぎず、誰の得にもなっていない。
だがそれを正当化し、許可を出してきたのは──ほかでもない、あなた自身なのだ。

素人の思いつきが、経営の舵を狂わせる

あなたは、社員や労働組合との調和を優先しすぎて、
経営判断が鈍ってはいないだろうか?

そして、周囲の同意を得ることばかりに意識が向き、
決断を先延ばしにしてはいないだろうか?

──はっきり言おう。そんな経営は、“学級会以下”だ。
学校の委員会ですら、最終的な判断は必ず教師が下す。

にもかかわらず、社長であるあなたが
「みんなで決めましょう」などと発言しているのなら──
あなたの会社はすでに、“民主主義ごっこ”で溺死寸前である。

市場は、あなたが迷っている間に、容赦なく襲いかかってくる。 
競合は、あなたの社員が繰り出す“なんちゃってマーケティング”を見て、
鼻で笑い、こう思っている──「今がチャンスだ」と。

それなのに、今日もあなたの会議室では、こんな情けない会話が繰り広げられている。

・「TikTokのほうが若者に刺さるかもしれません。手始めに社員全員で踊りましょう」
・「うちもYouTubeやってみませんか?ボク、面白いことを言うのが得意なんです」
・「インスタで“映える投稿”をしましょう。女性社員の朝ごはんを載せればバズります」

そう──マーケティングを知らない素人たちが、
“思いつき”や“知ったかぶり”で社内を引っかき回し、
本来進むべき経営の舵を、大きく狂わせているのだ。

だが、何よりも残念なことは──
社長であるあなた自身が、こうした意見に「いいね」と頷き、
「やってみなはれ」と部下をけしかけてしまっているという、
救いようのない現実である。

マーケティングと経営は、“社長の独裁領域”であれ

あなたが今、やるべきことはたった一つ。
今この瞬間から、“社長による独裁体制”を宣言せよ。

とりわけ──
マーケティングと経営戦略だけは、社長であるあなたが独裁的に主導すべきだ。
ここを社員に委ねた瞬間、あなたの会社は、確実に“迷走”する。

なぜか?

そもそも、社員の多くはマーケティングの基礎すら理解していない。
──いや、それだけではない。勉強する気すら、毛頭ない。

そんな人間が放つ「SNSで集客しましょう」
「バズらせましょう」などという言葉は、ただの無知ではない。
会社の競争力を削ぐ、“有害物質”そのものである。

しかも──彼らはその“無知な提案”に対して、堂々と予算を要求してくる。

・「YouTube広告に100万ください。CMは大手広告代理店に作ってもらいます」
・「TikTok運用に月10万使います。社員のダンス教室のレッスン費も経費で」
・「乃木坂46の生田絵梨花と話したいです。60年ぶりのテレビCMを決定してください」

──冗談も休み休み言え。

マーケティングの勉強をしていない。
売上責任も一切取らない。
ただ、有名人と会いたいだけ。自分が目立ちたいだけ。

そんな提案に、社長であるあなたがうなずく理由など──1ミリも存在しない。
そして、そんな提案しかできない社員を、これ以上会社に置いておく理由も──
いっさい存在しない。

“全会一致”では会社は沈む──決めるのは「社長」だ

経営において、すべての決断が歓迎されるわけではない。
むしろ、正しい判断であればあるほど、強い反発を招くことすらある。
だからこそ、経営者には“孤独な決断”を下す覚悟が求められるのだ。

「部下に嫌われてもいい」
「俺の決断に文句があるのなら、辞めてもらって結構だ」
「異論があるのなら──まず本を1冊読んでから俺の前に来い」

──そうした揺るぎない姿勢こそが、会社を前に進める真の推進力となる。

だからこそ、まず見直すべきは、日々の意思決定が行われる「会議」のあり方だ。
そもそも、会議とは、“みんなでアイデアを出し合う場”ではない。
社長が責任をもって“決断を下すための場所”である。

そのため、
マーケティングや経営戦略を“全会一致”で決めようとする会社は、
徐々に競争力を失い、最終的に市場から姿を消す運命にある。

なぜなら、
あなたの役員や社員は、あなた以上にマーケティングを理解しているわけでも、
あなた以上に事業の成長に本気で取り組んでいるわけでもないからだ。

であれば──誰が決断を下すべきかは、言うまでもない。
最終的な判断を下す資格があるのは、その結果に責任を負う者ただ一人──
それは経営者である、あなた自身なのだ。

だからこそ、最後にはっきりと言う。

今こそ、決断すべき時だ。
マーケティング、戦略、経営──そのすべてを、社長であるあなた自身が主導せよ。

それこそが、資金も、人材も、知名度も足りない中小半導体企業が──
資本力・ブランド力・組織力で圧倒する大企業に勝つための、唯一の“経営判断”である。