世界のサーミスター市場は、2023年に924億5,000万米ドル(約14兆円)に達し、2030年には1,253億1,000万米ドル(約19兆円)にまで成長すると予測されています。つまり、たったの7年ほどでサーミスター単体の市場が約5兆円拡大することが予測されているのです。
従来、半導体企業が設計・製造していたサーミスターが使用されていたのは、「家庭用電化製品」「産業用機器」「ヘルスケア」「メディカル」「モビリティ」といった市場でした。
しかし、「スマート農業」「環境監視システム」「HVACシステム」といった新たな市場の出現により、サーミスターの需要が以前と比べ圧倒的に高まってきているのです。
しかし、日本国内のサーミスター設計・製造を行う半導体企業の多くは、マーケティングの知識不足が原因で売上増を実現できず、自社の成長の機会を逃しているのが現状です。
国内大手サーミスターメーカーである(株)芝浦電子とSEMITEC(株)であっても、2023年度の業績では、売上高と営業利益が前年同期比でそれぞれ2.4%減と6.5%減、2.3%減と2.9%減と低調に終わっており、日本企業における成長の課題が浮き彫りとなっているのです。
これらの事実は、日本の半導体企業はサーミスターの需要が高まる今こそ、従来の営業依存のスタイルから脱却する必要があること、効果的なマーケティングを導入することで、競合企業に先駆けてサーミスター市場で成功しなければならないことを意味しています。
本記事では、マーケティングに不慣れな半導体企業の社長・管理職・マーケティング担当者を対象として、サーミスター販売で年商増を実現するための4つの戦略を解説します。
この記事を読めば、従来の営業依存スタイルから脱却するためのマーケティング知識と、自社の売上・利益増を実現するための大きなヒントを得られることは間違いありません。
目次
サーミスターの売上増を実現するためのマーケティング戦略4選
自社サーミスターの売上増を実現するためには、自社の営業社員の能力に依存するだけでは限界があります。
営業社員がコンタクトを取ることができた企業の数でしか、あなたの企業の魅力・サーミスターの性能の高さを伝えることができないことが最大の理由です。
しかし、自社にマーケティングを導入、効果的な戦略を活用することで、営業社員が働いていない時間であっても幅広い業界と新たな顧客層にアプローチすることが可能となります。インターネット上に自社サーミスターについての情報を掲載しておくことで、認知度を向上させることができ、結果、営業社員を増やさなくても年商増が実現できるのです。
ここでは、半導体企業が自社サーミスターの設計・製造案件の受注を増やすための、実践的なマーケティング戦略を4つの項目に分けて解説します。各戦略のポイントを押さえることで、営業とマーケティングの相乗効果を生み出し、自社の成長を加速させましょう。
1. ターゲット市場と顧客ニーズの把握
マーケティングの最初のステップは、自社サーミスターがどの業界でどのように使用され、どれくらいの需要があるのかを正確に特定し、サーミスターのユーザー企業である顧客が抱える具体的なニーズや課題・問題・悩みを、業界ごとに詳細に把握することです。
これにより、自社サーミスターがどのように顧客の問題解決に貢献できるかを明確にし、適切なメッセージでアピールできるようになります。顧客のニーズに応えることができる製品として自社のサーミスターや自社のサービスを位置づけることで、半導体市場での競争力を高め、効果的なマーケティング戦略の基盤を築くことができるようになるのです。
以下に、医療機器、自動車、家電といった各分野におけるサーミスターの役割や顧客ニーズ、そして、あなたの企業のサーミスターのアピール方法について、詳しく解説します。
医療機器
医療機器業界では、サーミスターは患者の体温や呼吸の管理を行うために欠かせない、重要なセンサーとして広く使用されています。
たとえば、体温計や呼吸計測器といった医療機器においては、患者の体温や、患者が呼吸をしている時の呼気と吸気の温度差を、リアルタイムで正確に検出することが求められています。
これらの機器により、患者の状態を正確に把握し、異常があれば速やかに対応できる環境を整えることが可能となるのです。また、体温や呼吸の管理をする医療機器だけでなく、医療施設内の冷蔵設備(ワクチンや血液などの保存用)にもサーミスターは不可欠であり、最近ではコロナワクチンの温度変化による劣化を防止することにも役立っています。
医療現場では、センサーが誤作動したり不安定な測定結果を示したりすることは、患者の生命に影響を及ぼす重大なリスクとなり得るため、サーミスターの高い安定性と信頼性が求められます。
さらに、医療現場での長時間の連続稼働に対応できる耐久性も、半導体(サーミスター)企業に求められる重要な要素です。高い耐久性と感度を持つサーミスターを採用することで、医療機器メーカーは患者の生命を支える医療機器を提供することが可能となります。
このような特性を持つサーミスターの採用は、医療機器の信頼性向上や安全性向上に繋がるため、医療機器メーカーにとって自社製品の競争力を高める重要な要素となるのです。
自動車
自動車産業では、サーミスター(温度センサー)は車両全体の安全性や性能、燃費効率を高めるために不可欠な役割を果たしています。
特に、エンジン温度やバッテリー温度、車内空調の温度管理といった重要なシステムにおいて温度制御の要として活用され、エンジンの過熱防止やバッテリーの劣化防止、燃費の最適化などに大きく貢献しているのです。
現在、世界的にハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の普及が進む中で、特にバッテリー温度管理の重要性が増しており、サーミスターの存在意義が一層高まっています。
サーミスターはバッテリーシステム内での温度をモニタリングし、過度な高温や低温によるバッテリー劣化を防ぐことで、充電効率や寿命の向上を図り、バッテリーの長寿命化に貢献しています。
こうしたサーミスターによる安定した温度管理により、自動車の安全性も高まり、ドライバーや乗員の安心と安全が確保されることにもつながっているのです。
さらに、車内空調システムにおいてもサーミスターは重要な役割を果たしています。外気や内部温度の変化を感知し、車内を常に快適な温度に保つための精密な制御が行われているのです。これにより省エネルギー効果が得られ、燃費効率の向上にも貢献しています。
そのため、半導体企業は自動車メーカーに対して、自社サーミスターの高度な温度制御性能、耐久性、そして省エネルギー性をアピールする必要があります。結果、自社サーミスターの価値を訴求でき、半導体市場での競争力向上を実現、案件受注につながるのです。
家電
家庭用家電分野では、サーミスターは冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの主要製品において、温度制御の重要な役割を果たしています。
サーミスターは温度感知の精度が高く応答も迅速なため、家庭内のさまざまなエレクトロニクス製品で有効に機能しているのです。
例えば、冷蔵庫では庫内の温度変動をリアルタイムで感知し、冷却システムを適切に制御することで、庫内温度を最適範囲に保ち、食品の品質と鮮度を維持します。また、冷却システムの稼働効率を高めることで消費電力が抑えられ、省エネルギー性能が向上します。
このように、サーミスターは各種家電において、温度制御を通じて製品の性能向上と省エネルギー性を実現する重要な要素を担っているのです。そのため、家電市場をターゲットとして、自社サーミスターが顧客の家電製品の性能向上や省エネルギーの実現につながることを積極的にアピールすることは、半導体企業が最優先に取り組むべき業務なのです。
現在、高精度な温度調整機能、耐久性、省エネルギー性を持つサーミスターは、冷蔵庫やエアコン、洗濯機といった家電製品の性能を決定づける重要な部品として評価されています。
そのため、自社サーミスターの優れた性能を家電メーカーにアピールすることで、あなたの企業は「サーミスターのプロフェッショナル企業」として認識されるようになり、それは、あなたの企業が家電市場での競争力を今以上に高めることにもつながるのです。
半導体企業は、家電メーカーのニーズや課題を深く理解し、自社サーミスターの省エネ性能や信頼性を強調したアピールを行うことで、長期的なパートナーシップや市場シェアの拡大を図ることができます。また、消費者が求める省エネで環境に優しい家電の実現につながるサーミスターを納品することは、顧客企業の信頼を得ることにもつながるのです。
2. SEO最適化とコンテンツマーケティング
自社のサーミスターを宣伝し、見込み顧客に効果的にアプローチするためには、Google・Yahoo!などの検索エンジンでの認知度を高めるSEO(検索エンジン最適化)が必要です。
サーミスターや温度センサーに関連するキーワードで上位表示されることで、自社サーミスターやサービスへの関心を高め、ホームページへのアクセスを増やすことができます。
たとえば、「サーミスター 価格」「サーミスター 温度感知」など、ターゲットとなるサーミスターのユーザー企業が、Googleなどで検索しやすい具体的なキーワードを選び、自然な形でコンテンツに取り入れることで、検索エンジンでの評価が高まりやすくなります。
コンテンツマーケティングは、顧客の興味を引き、関心を高めることができるコンテンツを定期的に作成し、検索エンジン(SEO)最適化を強化していくことが求められる施策です。ここでは、「技術解説と導入事例を含むコンテンツの作成」「ブログ記事やホワイトペーパーのテーマ例」「外部リンクと内部リンクの強化」についての詳細を解説します。
技術解説と導入事例を含むコンテンツの作成
SEOを活用したコンテンツマーケティングは、コンテンツの質が極めて重要です。
例えば、自社サーミスターの技術的な特徴や、具体的な導入事例をわかりやすく解説するブログ記事やホワイトペーパーは、見込み顧客の関心を引き、あなたの企業の専門性や半導体のプロフェッショナル企業としての地位をアピールするための有効な手段となります。
また、具体的な技術情報や導入事例の詳細を含むコンテンツは、自社サーミスターの機能や利便性を伝えるだけでなく、顧客のあなたの企業に対する信頼感を高めることにも役立つものであることを、マーケティング担当者のあなたは心に留めておく必要があります。
例えば、医療分野の顧客を対象としたブログ記事では、サーミスターが体温や機器内部の温度管理にどのように役立つか、また、その精度と信頼性がどれほど重要であるかを解説することで、医療機器メーカーの自社サーミスターへの信頼感を高めることができます。
医療現場では温度管理が患者の生命に直結することから、ブログ記事内で自社サーミスターの精度や耐久性について具体例を交えて解説することで、サーミスター設計・開発・製造のプロフェッショナル企業としての自社の価値をより高めることができるのです。
また、自動車市場においては、エンジンやバッテリーの温度管理におけるサーミスターの役割を示すコンテンツが効果的です。
たとえば、ハイブリッド車や電気自動車のバッテリー温度を最適に保つことで充電効率を高める仕組みや、その結果としての安全性の向上が実現できることについて具体的に伝えることが顧客の興味を引くポイントとなります。
家電業界向けには、冷蔵庫やエアコンでの温度制御の仕組みや、サーミスターがどのように省エネルギー化や耐久性向上に寄与しているかを、コンテンツ内で詳細に解説することが効果的です。環境に優しい商品を作り消費者にアピールすることは、家電メーカーにとっては至上命題であるため、そのようなコンテンツは興味を引くこと間違いなしです。
このような技術情報や導入事例をブログ記事やホワイトペーパー内でアピールすることで、顧客は自社製品のニーズや抱えている問題に対して、あなたの企業のサーミスターがどのように役立つのかを具体的に想像しやすくなり、導入の判断がしやすくなります。
自社サーミスターのスペックをホームページ上でただ紹介するのではなく、業界ごとのニーズに合わせた技術情報や導入事例をわかりやすく解説することで、見込み顧客から「自分たちの問題を解決してくれる半導体企業である」と認識されるようになるのです。
ブログ記事やホワイトペーパーのテーマ例
SEOとコンテンツマーケティングを活用して自社への問い合わせを増やすためには、業界ごとに適切なテーマを設定し、顧客が抱える課題に対応した内容を提供することが鍵です。
例えば、自社サーミスターの具体的な利用シーンや技術的な利点をコンテンツ内でアピールすることで、見込み顧客にとってのあなたの企業価値を高めることができます。
以下は、実際に顧客の関心を引きつけ、検索エンジンでも評価されやすいテーマの一例です。
医療機器におけるサーミスターの役割とその重要性
医療機器の温度管理は、患者の安全や機器の精度に直結するため、非常に重要です。
このテーマでは、あなたの企業のサーミスターが、体温計や呼吸器などの医療機器でどのように活用され、正確な体温や温度のモニタリングを可能にしているかについて解説します。
さらに、自社が納品した医療機器向けのサーミスターが、実際の医療現場において問題なく作動し続けるのにどれほど貢献しているかを、コンテンツ内に顧客へのインタビュー記事を掲載することで、医療業界の見込み顧客に対する訴求力を高めることができます。
ハイブリッド車と電気自動車におけるバッテリー温度管理のためのサーミスターの利点
ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の普及に伴い、バッテリーの温度管理の重要性が急速に高まっています。
このテーマでは、あなたの企業のサーミスターが、車両のバッテリー温度を安定的に管理し、充電効率を最大化する役割を担っていることについて解説します。
過度な高温や低温からバッテリーを保護し、劣化を防ぐことで走行距離やバッテリー寿命の向上につながることを解説することで、自動車メーカーの技術者やエンジニアの関心を引くことができ、その後の具体的な導入や購入への検討につなげることができるのです。
省エネルギー家電に貢献する温度センサー技術:サーミスターの活用事例
家電業界では省エネルギー性能は非常に重要なテーマであり、製品の一部を構成するサーミスターは、冷蔵庫やエアコン、洗濯機などの温度制御で大きな役割を果たしています。
冷蔵庫では庫内の温度を適切に管理し、食品を新鮮に保つだけでなく、エアコンでは室温に応じた自動調整で無駄な電力消費を抑制します。
また、洗濯機では水温の微調整によって洗浄力を最適化し、衣類の優しい洗い上がりを実現することにも貢献しているのです。
このような具体例を自社ブログやホワイトペーパー内で示すことで、自社製品の性能をより高めようと考えている家電メーカーに対して、あなたの企業のサーミスターの省エネ効果や、高精度な温度管理能力がどのように役立つかをアピールすることができるのです。
外部リンクと内部リンクの強化
SEO効果を高め、コンテンツの信頼性を向上させるためには、外部サイトと内部ページへのリンクの設置が重要です。信頼の高い外部サイトへリンクを設置し、情報の裏付けを提供することで、顧客が、「信頼できる情報源」としてあなたの企業のウェブサイトを認識するようになります。
たとえば、技術的な内容をブログ記事で扱う場合には、半導体業界の研究結果や最新の統計データ、関連する学術論文、業界団体の発表など、権威ある第三者機関や専門的な情報源へのリンクを挿入することが効果的です。
これにより、コンテンツの信憑性が向上し、顧客にとっても、あなたの企業のサーミスターに関する理解が深まりやすくなります。
外部リンクに加え、内部リンクもSEO(検索エンジン最適化)の強化において欠かせない要素です。各コンテンツに自社の製品ページや関連するブログ記事、技術解説ページなどへのリンクを追加することで、顧客がスムーズに詳細情報へアクセスできるようになります。
例えば、自社サーミスターの技術について解説するコンテンツ記事において、自社サーミスターの具体的な導入事例やスペック紹介ページへのリンクを設置することで、顧客はサーミスターの特長や使用シーンについて深く理解することができるようになるのです。
サイト内での内部リンクの充実は、顧客の滞在時間を増やし、ページ閲覧数を増加させる効果もあります。
例えば、サーミスターについての技術的な解説記事を読んでいる顧客が、関連する別の技術記事や製品紹介ページにアクセスしやすくなることで、サイト内での回遊率が上がり、結果的に滞在時間が長くなります。
これはSEOの観点からも、自社の評価が高くなることで、検索エンジンでの順位上昇につながることが期待できるのです。
3. 自社サーミスターを紹介するランディングページの作成
自社のサーミスターを紹介することに特化したランディングページを作成し、興味を持ったユーザー企業が、簡単にアクセスしやすい仕組みを整えることが成功の鍵となります。
ランディングページとは、自社サーミスターやそれに伴うサービスに焦点を当て、顧客が求める情報に迅速にアクセスできることだけを目的として用意されたウェブページです。
顧客が最初にアクセスする「入り口」となるため、自社サーミスターの魅力、それに伴うサービスのメリット、ライバル企業との違いなどをすぐに伝えることが重要となります。
ランディングページは広告や検索結果、SNSリンクなどから顧客を誘導し、特定のアクション(問い合わせ、資料請求、契約など)を促すことだけを目的としています。
そのため、通常のホームページとは異なり、自社サーミスターとは関係のない他ページ(他事業についての詳細が記載されているウェブページ)へ離脱することを防ぎ、コンバージョン(成約・問い合わせ・資料請求)につながる行動を強く促すことができることが特徴です。
ランディングページには、自社サーミスターの特徴や用途をわかりやすく記載し、顧客があなたの企業のサーミスターの価値を直感的に理解できるような工夫をしましょう。
さらに、ランディングページの構成には明確な流れを持たせることを強く意識し、顧客が製品・サービスの理解から問い合わせまでスムーズに進めるよう設計することも重要です。
以下ではランディングページにおいて、自社サーミスターのメリットや特徴を簡潔に伝えるポイント、問い合わせにつながるCTA(Call to Action)ボタンの適切な配置方法、そして、既存顧客の導入事例を活用する方法について、具体的なアプローチ方を解説します。
自社サーミスターのメリットや特徴を簡潔にまとめる
自社サーミスターを紹介するランディングページでは、製品・サービスのメリットや特徴を、サーミスターのユーザー企業が一目で理解できるように簡潔にまとめることが大切です。ランディングページ内では複雑な技術用語は一切使用せず、わかりやすい表現で自社サーミスターやそれに伴うサービスの価値、他の半導体企業との違いを伝えましょう。
たとえば、「高精度な温度感知」「長寿命と高い耐久性」「省エネルギー設計」といったメリットを箇条書きやアイコンを使って視覚的に表現すると、顧客の理解が深まります。
また、各メリットに詳細な説明を添えると、顧客にとって、あなたの企業のサーミスターを導入することの利点が、よりわかりやすいランディングページにすることができます。
例えば、あなたの企業のサーミスターが「省エネルギー設計」を実現できている場合は、
業界トップクラスの省エネルギー性能により、あなたの製品の省エネを実現!あなたは、消費者に対して環境に配慮した製品であることがアピールできるようになるため、競合企業との差別化ができます。ライバル以上の売上増を実現できること間違いなしです
といった説明を記載すると、顧客はあなたの企業のサーミスター導入を検討するにあたって、具体的な利点をイメージしやすくなり、決裁権者への説明もより簡単になるのです。
また、ランディングページ内では、あなたの企業のサーミスターが顧客の課題にどのように応えることができるかを、具体的な事例を交えて説明する必要もあります。
顧客がランディングページを読み、自社のニーズに適応できるサーミスターであることをすぐに把握できるようになると、あなたの企業の問い合わせ数や資料請求数の増加につながります。
具体的な事例を解説したり、自社サーミスターの性能を紹介する場合には、動画を使うことも効果的です。動画は文字だけのコンテンツよりも顧客の理解を深めることができるため、半導体企業が真っ先に検討しなければならないマーケティング戦略でもあります。
資料請求や面談予約のCTAボタンを配置
ランディングページには、顧客が次のステップへ進みやすいよう、資料請求や面談予約のCTA(Call to Action)ボタンをわかりやすく配置することが重要です。
CTAボタンには、「今すぐ資料を請求する」「面談の予約をする」「詳細情報を入手する」などのわかりやすいメッセージを添え、顧客が行動を起こすための具体的なメリットを強調しましょう。
例えば、
2024年12月31日までの特権!初めての資料請求をした企業様限定で、その後1年以内に弊社との契約が決まった場合は、契約金額から5%の値引きを約束します!
といった一文をCTAボタンの周辺に記載すると、顧客の関心を惹きつけることができます。
また、CTAボタンはランディングページの上部・中部・下部など、複数の箇所に配置することで、顧客がページのどの部分を読んでいても即座に行動をとれるようにします。CTAボタンの色やサイズにも注意し、背景に埋もれないよう視覚的に目立たせることで、コンバージョン(資料請求・問い合わせ・面談予約の成功)率を高める必要もあるのです。
資料請求・問い合わせ・面談予約フォームは、企業名・部署名・担当者名・メールアドレス・電話番号などの簡単な入力のみで完了できるよう、項目を最小限に抑えると顧客が気軽に行動しやすくなります。そのため、あなたの企業が、資料請求フォームなどを作る際には、顧客が入力しなければならない「必須」項目を増やしすぎないようにしましょう。
既存顧客による自社サーミスターの導入事例を掲載
自社の信頼性を高め、顧客に安心感を与えるために、既存顧客のサーミスター導入事例をランディングページに掲載しましょう。
具体的な事例として、サーミスターがどのように顧客企業の課題を解決し、どのような成果を生んだのかを詳しく示すことが効果的です。
例えば、「大手医療機器メーカーでの温度管理ソリューション」や「自動車メーカーでのバッテリー温度管理による充電効率や寿命の向上」といった事例を掲載し、あなたの企業のサーミスターが、多くの業界のニーズに応えることができた具体的な実績を伝えます。
導入前と後の比較や成果が具体的に示されていると、顧客はあなたの企業のサーミスターの実力をより深く理解できるようになります。顧客が導入事例で紹介されている課題と同様の課題を抱えている場合には、自社課題の唯一の解決策として、自社のニーズを満たすことができる唯一の存在として、あなたの企業との契約を検討するようにもなるのです。
また、お客様の声を顧客の写真や動画付きで掲載することも大切です。第三者の視点から自社サーミスターの信頼性が証明されるため、あなたの企業をよく知らない顧客に対しても、「サーミスターのプロフェッショナル企業」として安心感を与えることができます。
4.メールマーケティングでフォローアップを徹底
コンテンツマーケティングやランディングページによって見込み顧客を獲得した後は、電子メールやニュースレターを通じて定期的にフォローアップを行い、見込み顧客があなたの企業のサーミスターへの興味関心を継続できるようなサポートを行うことが重要です。
メールマーケティングは、自社サーミスターの性能をアピールできるだけでなく、信頼関係を構築し、最終的な購入決定に導くための強力な戦略です。見込み顧客が関心を示している分野(例:医療用サーミスター、自動車向けサーミスター、家電向けサーミスターなど)に基づき、顧客のニーズに応じたパーソナライズされたメールを送ることで、個々の興味・関心に寄り添ったアプローチが可能となります。
これにより、見込み顧客は自身のニーズにフィットした情報を受け取ることができるため、関係維持が容易になるのです。
以下では、メールマーケティングを通じた効果的なフォローアップの具体例を解説します。サーミスター技術の最新情報や業界トレンドを含むニュースレターや、顧客のサーミスター導入事例、さらには新製品やキャンペーンのお知らせを組み合わせることで、見込み顧客が常に有益な情報を得られる環境を整え、最終的な契約まで関心を高め続けます。
サーミスターの最新情報やトレンドを案内するニュースレター
1ヶ月に1回、サーミスター技術の最新情報や関連する業界トレンド、製品の進化に関するニュースレターを郵送することで、見込み顧客が常に最新の知識を持ち続けられるようサポートします。
ニュースレターは、見込み顧客がサーミスターの発展や技術の最新情報に触れる機会を提供し、関心を持続させるだけでなく、自社の信頼性を高めることができる効果的な手段です。
例えば、「最新の温度管理技術」「次世代サーミスターにおける省エネ対応の進展」といったトピックを扱うことで、同じ温度センサである熱電対や白金測温抵抗体と比べた場合のサーミスターの技術的優位性や、サーミスターの革新性を顧客に伝えることができます。
ニュースレターには業界別のトレンド情報も含めることで、サーミスターが今後どのように価値を高められるかを見込み顧客が理解しやすくなります。
例えば、「自動車業界での電動化とバッテリー温度管理の進化」や「医療機器の温度管理に求められる精度の向上」など、業界別の変化とその中でサーミスターが果たす役割を伝えると、顧客は自社のニーズに、どのようにサーミスターが応えられるかを具体的にイメージしやすくなるのです。
このように、技術情報と業界トレンドの両方を組み合わせた内容にすることで、顧客のサーミスターに対する理解を深め、「サーミスター設計・製造のプロフェッショナル企業」としての、あなたの企業の信頼をより高めることができるニュースレターが完成します。
自社サーミスターの導入事例を紹介するフォローアップメール
見込み顧客に対して自社サーミスターの具体的な価値を伝えるためには、特定の業界での導入事例や実際の使用シーンでの効果を示すフォローアップメールが非常に効果的です。
例えば、「自動車メーカーでのバッテリー管理における弊社サーミスターの納品実績」というテーマでは、あなたの企業のサーミスターが、電気自動車やハイブリッド車のバッテリー温度管理にどのように貢献しているかについて、メール内で具体的に解説します。
ここでは、サーミスターの温度感知技術が、バッテリーの寿命延長、充電効率の向上、安全性の確保にどのような影響を与えるかについて記載し、既存顧客があなたの企業のサーミスターを導入することで得られた具体的なメリットをアピールする必要があるのです。
フォローアップメールでは、あなたの企業のサーミスターを導入することによる、自動車メーカーの長期的な費用対効果についての事例も具体的な数字とともに示す必要があります。これにより、自動車業界の見込み顧客があなたの企業のサーミスターの利点を理解し、自社の車両開発にどのように活用できるかを具体的にイメージしやすくなるのです。
このような導入事例を記載したフォローアップメールは、見込み顧客にあなたの企業のサーミスターの具体的な価値と利便性を深く理解させ、自社の課題解決にあなたの企業のサーミスターがどれだけ役立つかを具体的にイメージさせる手助けをします。結果、顧客の導入意欲が高まり、あなたの企業との契約をより積極的に検討するようになるのです。
新製品やキャンペーンをお知らせするフォローアップメール
新しいサーミスターの発売や期間限定のキャンペーン情報を知らせるメールは、見込み顧客の関心を持続させ、行動を促すための効果的な方法です。
このようなメールでは、新たに発売されたサーミスターの特長やメリットについて詳述し、具体的な導入効果を伝えることで、顧客の購買意欲を刺激します。
例えば、あなたが「医療分野向け新型サーミスターの発売」を告知する場合、その製品の特長である高精度な温度管理や耐久性、医療機器への適合性について詳しく解説します。
また、あらかじめモニターとして、あなたの企業の新型サーミスターを自社医療機器に導入していた医療機器メーカー社員の喜びの声を記載することや、競合製品との差別化ポイントを強調することで、医療分野の見込み顧客が導入を具体的に検討しやすくなります。
同時に、「今日から6ヶ月以内に契約すれば契約金額の10%を割引します」といったプロモーションを実施することで、顧客はこの製品が提供する価値に加え、コスト面でのメリットを感じやすくなり、新たなサーミスターの導入をより決断しやすくなるのです。
また、「次世代サーミスター発売に関する特別キャンペーン」として、エネルギー効率が向上した新製品の特別価格を案内することも効果的です。
このようなキャンペーンでは、新製品が従来モデルと比較してどれほど省エネルギー性能が向上しているか、また、その結果として得られる長期的なコスト削減効果について具体的な数値を交えて紹介します。
このように、新製品の発売やキャンペーンの開催を知らせるフォローアップメールは、見込み顧客が「とりあえず試してみよう」と感じるきっかけを提供し、導入の決断を促すことができる強力なツールなのです。
最後に
半導体企業がサーミスターの売上増を実現するためには、営業依存を脱却し、ターゲット市場と顧客ニーズの深い理解に基づいたマーケティングを実行しなければなりません。
SEOやコンテンツマーケティングを通じてオンラインでの自社の認知度を高める一方、自社サーミスターを案内することだけを目的としたランディングページを作成し、見込み顧客がスムーズに問い合わせや資料請求を行えるよう集客導線を整える必要もあるのです。
また、コンテンツマーケティングやランディングページを通して獲得した見込み顧客には、電子メールやニュースレターを使いフォローアップを行い、自社サーミスターの性能をアピールしつつ、信頼関係を構築することで最終的な契約に繋げる必要があるのです。
このように、マーケティングの各戦略を組み合わせ、顧客にとって価値ある情報を提供することで、深い信頼関係を築くことが可能となります。これは、あなたの企業がサーミスターの「専門家企業」「権威企業」として顧客の市場から認められることにもなるのです。
今回の手法を参考にして、ぜひ自社のマーケティング戦略に新たなアプローチ方を取り入れてみてください。自社サーミスターの特徴や用途に応じた戦略的な取り組みを通じて、営業依存から脱却し、会社全体として持続的な売上増の実現を目指していきましょう。
今回の記事の冒頭でもお伝えしましたが、世界のサーミスター市場は、2023年は約14兆円、2030年には約19兆円にまで成長すると予測されています。
これは、2023年から2030年までの間に新たに発生する5兆円(約19兆円-約14兆円)ほどの市場をめぐって、今この瞬間も、世界中の半導体企業によって熾烈な争いが繰り広げられていることを意味しているのです。
日本の半導体企業は、マーケティングの導入が遅れていることが原因で、サーミスター市場での熾烈な争いに参加すらできていないというのが現状です。しかし、あなたの企業は5兆円市場の奪い合いに乗り遅れてはいけません。2030年のサーミスター19兆円市場に向けマーケティングを実行し、サーミスター市場での競争力を高めていく必要があります。
現在、日本の半導体企業で、正しいマーケティングを実行できている企業の数は0に近いのが現実です。そのため、適切なマーケティングを実行できた半導体企業が、6ヶ月ほどで卓越した成功を収めるといったことも十分に考えられる状況なのです。最後となりますが、今回の記事が、あなたの企業の売上増と事業拡大の一助となることを願っています。
当サイト、半導体マーケティング代行サービス officeじょにについて
この記事をお読みいただき、あなたは、半導体企業が自社にマーケティングを導入し、サーミスターの売上増を実現する方法についての理解を深めていただけたかと思います。
しかし、現段階で自社の売上のほとんどが、営業社員によってもたらされている企業が、自社にマーケティングを導入、スムーズに運用していくには、多くの時間と専門的な知識が必要です。特に、日本の半導体業界のマーケティング戦略には、他の業界とは異なる独自のアプローチが求められます。
半導体マーケティング代行サービス officeじょに
は、半導体企業だけに限定して、デジタルマーケティング・営業DXの代行サービスを提供しているため、あなたの企業のマーケティング業務の全てをマルっと代行することが可能です。
半導体マーケティング代行サービス officeじょに
であれば、半導体企業の社長・管理職・マーケティング担当者の皆様が抱えるマーケティング上の悩みを、即座に解決することができます。
そのため、あなたの企業は、マーケティングに明るくない社員にマーケティング業務をさせる必要がなくなり、より売上や生産性アップを実現できるようになるのです。
もし、あなたが、「営業依存から脱却するためにマーケティングに取り組みたいが、何から始めたら良いか分からない…」、「限られたリソースの中でもマーケティングを実行して、半年以内にサーミスターの設計・製造案件の受注増を実現したい…」とお考えなら、半導体マーケティング代行サービス officeじょに
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