もしあなたが──
「値上げしたら顧客が離れ、売上が下がる」
「値上げは倒産への第一歩。いいものを安く提供するのが正義だ」
「競合はもっと安い。ウチはこの価格でやるしかない」──
──そう思っているのなら、
残念だが、あなたのビジネスはすでに“負けパターン”に入っている。
なぜか?
その思考こそが、まさに時代遅れの“旧型マインド”だからだ。
「良いものを安く」が通用したのは、昭和までの話。
今の市場は、そんな“安売り正義論”にしがみつく会社から
容赦なく淘汰していく。
断言する。
売上を増やすのに、最も簡単で、最も即効性があり、最も効果的な方法がある。
それは──値上げだ。
技術開発でもない。販路拡大でもない。
広告でも、SNSでも、展示会でも、DXでもない。
値上げこそが、即日で利益体質に変わる“経営アップデート”である。
値上げこそが、あなたの会社を売上減から救う「唯一の処方箋」だ。
しかもこれは、特別なスキルも投資も不要で、すぐに実行できる。
にも関わらず、あなたが、それを実行しない理由はただひとつ。
それは──“根拠のない思い込み”だ。
目次
値上げは「売上」と「利益率」を同時に引き上げる、
唯一の“両利き戦略”だ
まず確認しよう。
売上の公式は、どんな業界でも、どんな時代でも、一切ブレない。
売上=顧客単価 × 顧客数
このシンプルな真理を、あなたの会社は“正しく”理解しているだろうか?
大小問わず、多くの半導体企業はいまだに、
「とにかく数を売れ!」という昭和のド根性営業モデルにしがみついている。
ドブ板営業、価格競争、商社の顔色をうかがいながらの土下座提案──
血反吐を吐いて走り回っても、売上は伸びない。
そして、毎月の月初会議で、営業責任者が「なぜ売れないのか」と詰められる。
これらは、当然の結果だ。
彼らは、“単価”という最大の武器を、自ら封印しているのだから。
では、値上げとは何か?
それは「売上」と「利益率」を同時に引き上げる、唯一の“両利き戦略”である。
✔︎ 客数が多少減っても、単価が上がれば売上は増える
✔︎ 客数が減れば、その分サポートや製造の工数・負担は減る
✔︎ 単価を上げれば、「価格で選ぶ客」ではなく、「価値で選ぶ客」が集まる
つまり──
値上げとは「利益率の改善」だけでなく、
売上減への確実な対応策であり、ビジネスモデルそのものの進化を意味する。
それをまだ“実行”していないのなら──
あなたの会社は、大企業という名の装甲車に、竹槍1本で突撃しているようなものだ。
勝てるはずがない。いや、勝てる構造になっていないのだ。
「値上げすれば、顧客が減る」のは事実。だが──
もちろん、値上げをすれば顧客は減る。
これは否定しない。むしろ、疑いようのない事実だ。
だが──減るのは、たった“10%前後”にすぎない。
どれだけ値上げしても、顧客の離脱率はほぼ1割で頭打ちになる。
これは、多くのデータと現場の実例から導き出された、
もはや“ビジネスの物理法則”と言ってもいい現実である。
たとえば──
100万円の製品を105万円にしても → 離脱するのは約1割
100万円の製品を120万円にしても → 離脱するのは約1割
100万円の製品を130万円にしても → 離脱するのは約1割
つまり、値上げ幅に関係なく、去っていく顧客の数はおおよそ一定なのだ。
だが、日本の半導体企業の多くは、いまだにこの“10%ルール”を知らない。
だから、こうなる──
・「顧客が減ったら困るから…」と、恐る恐る中途半端な値上げを試みる
・それでも顧客は、結局1割減ってしまう
・一方で、値上げ幅が小さいため、売上は伸びず、利益も変わらない
・その結果、「やっぱり値上げはダメだった」と誤った結論にたどり着く
・最後には「中小企業は値上げできません」と、マスコミ相手に涙ながらの訴えを始める
しかし、こうした一連の流れこそが、完全な誤解であり、
典型的な“自滅のシナリオ”なのだ。
たとえば、あなたが100万円の製品を10社に販売していたとしよう。
売上は1,000万円(→ 100万円 × 10社 = 1,000万円)。
ここで110万円に値上げしたとする。
顧客が1社減って、販売社数は9社(→ 110万円 × 9社 = 990万円)。
あなたの考え通り、値上げの結果、売上は減少したように見える。
だが、その原因は“値上げそのもの”ではない。
原因はただひとつ──
値上げ幅があまりにも中途半端だったからだ。
値上げは1.2倍~1.3倍がベスト
同じ条件で考えてみよう。
100万円の製品を、一気に120万円へ値上げしたとする。
離脱率は変わらず1割。残る顧客は9社(→ 120万円 × 9社=1,080万円)。
売上は、80万円アップ(1,000万円→1,080万円)だ。
しかも、製造やサポートの固定コストは変わらない。
対応する顧客数は減るのに、利益は大きく跳ね上がる。
これが「正しい値上げ」、
つまり──1.2~1.3倍の値上げである。
それ以下の中途半端な値上げは、
自ら敗北を選びにいくようなものだ。
中途半端な値上げでは、顧客が減るだけで、売上も利益も追いつかない。
一見、勇気ある挑戦に見えても、着地は中途半端──最悪のパターンである。
段階的値上げ──最悪の愚策
ここで、多くの社長が陥る、
“致命的な勘違い”についても紹介しておこう。
それは──
「段階的に少しずつ値上げすれば、顧客の離脱を抑えられるのでは?」
という甘い幻想だ。
これは、絶対にやってはならない愚策である。なぜなら──
値上げのたびに、約10%の顧客が確実に離脱するからだ。
試算してみよう。
1回目の値上げ:100万円 → 105万円(顧客数:10社 → 9社)
2回目の値上げ:105万円 → 110万円(顧客数:9社 → 8.1社)
3回目の値上げ:110万円 → 115万円(顧客数:8.1社 → 7.29社)
4回目の値上げ:115万円 → 120万円(顧客数:7.29社 → 6.56社)
つまり──
5万円ずつの段階的な値上げを繰り返すと、顧客数は10社 → 6.56社に減少。
最終的に120万円で売る場合でも
値上げの“やり方”によって、売上はまったく変わってくるのだ。
一気に値上げした場合 → 120万円 × 9社 = 1,080万円
段階的に値上げした場合 → 120万円 × 6.56社 ≒ 787万円
──その差、約300万円。
これが、“中途半端な値上げ”の末路である。
つまり、中途半端な値上げを繰り返す会社は──
自ら命の砂時計をひっくり返し、静かに会社の寿命を削っているようなものだ。
根拠のない思い込みを捨て、今すぐ値上げせよ
迷っている暇はない。
その「迷い」が、あなたの会社の未来を静かに削り続けている。
✔︎ 値上げをすれば、売上と利益は確実に増える
✔︎ 値上げによる顧客離れは、ごくわずか──たった1割程度にすぎない
✔︎ 中途半端な値上げこそが、売上と利益を同時に奪う
これだけの事実が出揃った今、
あなたが取るべき行動は一つしかない。
今すぐ、価格を1.2~1.3倍に引き上げよ。
これは、単なる“値上げ”ではない。
広告でも、SNSでも、展示会でも、DXでもない。
誰もが即実行でき、かつ確実に利益を伸ばせる──「唯一の戦術」なのだ。
この価格改定を実行することで、
あなたの会社は「普通の半導体企業」から、
“勝ち続ける半導体企業”へと進化することができる。
そしてその進化こそが──
競争の激しい半導体業界を生き抜き、これからも選ばれ続ける企業になるための、
最も現実的で、最も確実なマーケティング戦略なのだ。