もしあなたが──
「俺は社員の自主性を尊重している。CM作りも “いい感じでやって” と任せている」
「社員を信じることが、経営者としての正しい姿勢。結果はあとからついてくる」
「優秀な社員と、百戦錬磨の広告代理店が組めば、必ずいいCMができるはずだ」

──そう本気で思っているのなら、今すぐ考えを改めよ。

なぜなら、その“信じて任せる”という方針が機能するのは──
社員が最低限の知識とスキルを備えている場合だけだからだ。

つまり──マーケティングの本を1冊も読んだことがない社員に広告を任せて
いるのなら、その時点で、あなたは経営者としての責任を果たしていない。
今すぐ経営の現場から退くべきだし、広告に予算を割く資格も、あなたにはない。

なぜなら、知識のない人間に“マーケティング”を任せることは、
運転技術を持たない人間にレースカーを渡すのと同じだからだ。

どれだけ性能の良いマシンでも、ハンドルを握る者が未熟なら──
最初のカーブでクラッシュするのは目に見えている。

CM(広告)もまったく同じだ。
勝敗を分けるのは、“思考のベースにある知識量”──つまり、読書量である。
センスや経験、ましてや勘といった曖昧なものではない。

そんな基本すら身についていない社員に業務を任せているのなら──
あなたがやっているのは「経営」ではない。運まかせの博打である。

本を読まない社員が作ったCMは──有害である

なぜ、社員に本を読ませなければならないのか?
理由はシンプルだ。

マーケティングを知らない社員が、
マーケティングを知らない広告代理店と手を組めば──
そこに生まれるのは、ただの“見た目だけが整った美術動画”でしかない。

✔︎ そもそも売れる根拠がない
✔︎ 顧客への訴求もズレている
✔︎ CMの目的も戦略も不明
✔︎ 誰一人として、なぜそれをやるのか説明できない

──これが、今の半導体企業の広告現場の実態だ。

売るための理論も、戦略思考も持たずに──ただ目を引く映像ばかりを追いかける。
その結果、CMは“価値を伝える手段”ではなく、自己満足の映像作品へと堕ちていく。

実際、こうした的外れなCMは、すでにいくつも世に出ている。
あなたもきっと、こうしたCMを目にしたことがあるはずだ。

・技術者向けの製品なのに「可愛いアニメキャラクター」が飛び出してくるCM
・感動や笑いの演出ばかりで「何の会社かさっぱりわからない」CM
・有名人が出てきて終わるだけの「自社技術力が1ミリも伝わらない」CM

では、こうしたCMを世に出したのはどこか?
──ミネベアミツミ、ADEKA、レゾナック。

彼らの“広告の迷走”を見れば、何が欠けているかは明白だ。
足りていないのは、突発的なひらめきでもなければ、洗練された感性でもない。
小手先のアイデアでも、見た目のセンスでもない。

社会人としての基本的な判断力──
そしてマーケティングの土台となる基礎知識である。

経営者がやるべき「たった1つのこと」

CMで無駄金を垂れ流すのを止めたければ、やることはたったひとつだ。
まず──あなた自身がマーケティングの本を読め。
そして、経営者として以下の5つを“絶対ルール”として自ら実行せよ。

1. 読んで良かった本は、即座に部下全員へ配布せよ
2. 営業・マーケティング部門の社員には「必読」を義務づけよ
3. 本に書かれている内容を、そのまま実行させろ
4. 本に書かれていないことは、一切やらせるな
5. あなたに指示された内容以外のことを独断で実行した社員は──即、解雇せよ

なぜ、ここまで強く言うのか?

理由はシンプルだ。
知識のない社員は、広告代理店にいいように騙される。
結果として、高額な“意味のない美術CM”をつかまされるだけだ。

あなたが本を読ませれば──
・なぜこの構成にするのか?
・なぜこのタレントを起用するのか?
・適正な広告費用とはどの程度か?
──こうした判断を、社員一人ひとりが自分の頭でできるようになる。

社員が1人、月に1冊読むだけで、1年で12冊。
5人いれば、60冊分のマーケティング知識が社内に積み上がる。

それだけで──
広告代理店を、知識と判断力の両面で上回る“賢い発注者”になれる。

最善のコストカット策は、社員による「読書」である

あなたの会社がCMで失敗しないために、まずやるべきこと──
それは、社員にマーケティングの本を読ませることだ。

絶対に、「なんとなくの感性」だけでCMを作ってはならない。
「社員に任せているから」と、思考を放棄してもならない。

広告に失敗して失うものは、“お金”だけではない。
それは、企業としての信頼であり、ブランド価値であり──
そして何より、「次の顧客」を失うという、未来への損失である。

たった1本の広告で、企業の未来が傾く──それが、今の広告の現実なのだ。
だからこそ問われるのは、「何を持って広告を作るのか」という“土台”である。

効果的な広告をつくるための第一歩は、何か特別なノウハウでも、
煌びやかなアイデアでもない。社員一人ひとりが、マーケティングの
基礎を当たり前に理解しているかどうか──それだけである。

だからこそ、最後にはっきりと言おう。

今すぐ、全社員に「月1冊の読書」を義務づけろ。
そしてあなた自身が、率先して本を読み、学んだことを実践させよ。
それが、社員の読書を「社風」にまで昇華させる最短の方法である。

あなたの会社にとって、本当に意味のあるコストカットとは──
オペレーション改革でも、DXシステムの導入でも、研修制度の強化でもない。
社員の読書こそが、最大の投資であり、最強のコストカット策である。

あらためて思い出してほしい。
なぜ、あの企業のCMは失敗したのか?

ミネベアミツミ、ADEKA、レゾナック──
彼らの迷走の根本原因は、「知識も戦略もないまま、自信だけで動いた」ことにある。
つまり、“読むこと”を怠った結果なのだ。

だからこそ、読書をしていない社員が、自信満々に作るCMが、
どれだけ的外れで、どれだけ自社の競争力を奪うか──
その現実を、全社員に徹底的に理解させよ。

それこそが──競争の激しい半導体市場において、
あなたの会社が勝ち続けるための、唯一の経営戦略である。