「うちのマーケティングはPR会社に任せてる。
テレビも出たし、取材も受けた。
だから、自然と売上も上がっていくだろう」──
もし、あなたがそう信じて日々を過ごしているのなら──
その判断軸は、もはや“化石”である。
あなたの会社がやっているのは、
“火がついていない花火”を空に放り投げているようなもの。
どれだけ高く打ち上がっても、
火がなければ光らない。音も出ない。誰の目にも映らない。
PRは「火」ではない。
マーケティングこそが、花火に点火し、空で輝かせる“仕組みそのもの”である。
あなたが経営者やマーケティング担当者であるなら、まず自問せよ。
「自社の情報発信は、“売上”という結果に直結しているのか?」
その答えが「Yes」でないのなら──
それは、実態なき“自己満足マーケティング”にすぎない。
予算を使った、使い果たしたことで得られる安心感。
上司には「マーケティングやってます」と笑顔で報告──
だが、現実には成果が出ていない。
そんな状態で「うちは戦えている」と思っているのなら──
それは危険すぎる幻想である。
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広報は“好感”を得るもの、マーケティングは“売上”を生むものだ
ここで一度、定義を明確にしよう。
PR(広報)──
第三者の媒体を通じて、企業や製品の“印象”を良くする行為。
マーケティング──
顧客の行動を促し、“売上”を生み出す仕組みを、自社で設計・運用する行為。
PRは、“他人の評価”に依存する。
マーケティングは、“自社の仕組み”に投資する。
あなたの会社が、月30万円でPR会社と契約しているとしよう。
「取材を取りました」「新聞に載りました」──
そんな報告が届くたびに、安心していないだろうか?
その記事から何件の問い合わせがあったのか?
その中で、何件が実際の商談や売上に結びついたのか?
──あなたは、正確に把握しているだろうか?
PRの目的は「好感を得ること」であって、「買わせること」ではない。
つまり、あなたのゴールが「世間から好かれたい」なら、PRで十分だ。
だが──
「売上を伸ばしたい」「利益を上げたい」が目的なら、PRでは戦えない。
たとえるなら、
PRは“校門でパンを配る優しい生徒会”であり、
マーケティングは“文化祭で目標売上を叩き出す営業部長”である。
どちらも必要だ。
だが、会社の成長という観点で優先すべきはどちらか?
あなたの会社は今、どちらにリソースを割いているだろうか?
CMやYouTube広告で満足してはいけない──その投資、ムダ金だ
これは、日本の中堅・中小企業でよくある失敗の典型例だ。
ある企業のマーケティング担当者が、
「YouTubeで話題になるようなCMを作りたい」と言い出した。
大手PR会社と組み、演出家を起用し、映像制作会社にも外注。
1年の広告費の20%ほどを、このプロジェクトに投じた。
結果はどうだったか?
確かに、CMは見栄えが良く、再生数も数万回を突破した。
──だが、問い合わせや商談数は以前とほぼ同じ。売上金額も変わらない。
社内でも「あれ、なんだったんだろうね」と、数ヶ月後には忘れ去られた。
なぜか?
それは──
「誰に届けるか」「何をさせたいのか」が設計されていなかったからである。
ウケればいい
バズればいい
“カワイイ”のコメントで溢れればいい──
そんな思想は、半導体業界では通用しない。
半導体ユーザー企業の購買担当者は、こんな人たちである。
✔︎ 感情では動かない
✔︎ 上司や同僚と共有できる資料・仕様・根拠を求めている
✔︎ Google検索し、他社製品・サービスと比較。稟議を通す
──つまり、彼らは
情報と信頼と実益でしか動かない
“合理的な判断機械”である。
そんな彼らに、
“カッコいいだけのCM”や“一方的な押し付け広告”を投げつけても、
刺さるはずがない。
もう一度、ハッキリ言おう。
「売れる仕組み」を設計しない限り、いくら発信しても──
それは“火薬のない弾丸”にすぎない。
音はするかもしれない。だが、敵は倒せない。
あなたが欲しいのは、本当に戦える武器ではないのか?
成功企業は、“売れる仕組み”を設計している──
あなたはそれを持っているか?
いま、成果を上げている製造業企業は、感覚や根性では動いていない。
彼らは、“売れる仕組み”を自社の力で設計・実行している。
具体的にはこうだ。
Webサイトには高精度なホワイトペーパー
→ 課題を抱える読者に刺さる内容で、確度の高い見込客を獲得する。
顧客以外は徹底無視の技術ブログ
→ 雑談ゼロ。スペック・用途・競合優位性に特化し、“買う人だけ”に語りかける。
自社技術の価値を伝えるプレゼン動画
→ 営業が「これ、そのまま商談で使える」と言うほどの優れた営業動画を準備する。
資料ダウンロード後、段階的に営業がアプローチ
→ 顧客の関心度に合わせて、“売り込み”ではなく「今まさに困っていること」に寄り添う提案を行う。
──これらはすべて、「狙って設計された導線」である。
成功している企業は、営業マンの気合では売っていない。
営業が話すのは、“買う可能性が高い相手”だけに絞られている。
つまり、マーケティングとは「売る努力」ではない。
「売れる確率を高める仕組み」をつくることだ。
では──
あなたの会社には、その仕組みがあるか?
動画広告の視聴回数…
テレビ出演の回数…
SNSの“いいね”や“フォロワー”の数…
それらはすべて、「見た目の話」にすぎない。
企業の稼ぐ力は、
「売上につながる仕組みを持っているか」でしか判断できないからだ。
あなたの会社は、自分の武器をつくれているか?
他人の賞賛にすがるだけで、満足していないか?
あなたは、何のために情報発信をしているのか?
「PRがうまくいっている気がする」
「業界誌にも出たし、社内でも評価されている」
──だが、それは“自己満足で終わる発信”にすぎない。
どれだけ目立っても、売上につながらなければ意味はない。
あなたが本当にやるべきは、
「興味を持った顧客が、問い合わせたくなる仕掛け」を作ることだ。
そのためには、マーケティング戦略という“設計図”が必要なのだ。
PR会社に支払っているその予算──
もしそれを、“見込み客を行動させる仕組み”に変えられるとしたら?
✔︎ 問い合わせが月に2割増える
✔︎ 営業が“売れる相手”とだけ話せるようになる
✔︎ 単価を下げずに受注できるようになる
──これこそが、マーケティングの本質である。
今すぐ、自社の力で“売れる仕組み”をつくれ。
“発信”ではなく、“仕掛け”ろ。
顧客に“届ける”のではなく、顧客を“動かせ”。