もしあなたが、
「うちは技術には自信がある。だから営業が動けば、いずれ売れるはずだ」
そう信じているなら──その考えは、今すぐ捨てよ。
たしかに、あなたの会社の技術は優れているのかもしれない。
品質も、精度も、競合より上かもしれない。
だが──“性能が高い”だけでは、もう誰にも選ばれない。
今、あなたの会社は、確実に市場から取り残されつつある。
それは、「伝え方を知らない半導体企業」として、
見込み客の選択肢から“最初から除外されている”ということだ。
かつては「技術力」こそが最大の武器だった
かつては、「技術力」こそが最大の武器だった。
これは否定しない。確かに、あの時代はそうだった。
バブル経済の頃、日本の半導体は世界を制していた。
NEC、東芝、日立──名だたる大手が市場を席巻し、
地方の中堅・中小企業も、“技術一本”で名を馳せることができた。
特に1980~90年代前半──
✔︎ 「いい製品を作れば、営業が勝手に売ってくれた」
✔︎ 「顧客の方から、技術の高い企業に頭を下げてきた」
✔︎ 「商社がつないでくれるから、こちらは黙っていてよかった」
──そういう時代だったのだ。
その“栄光の記憶”を、今も胸に持っている経営層は多いはずだ。
だが、その常識は、もはや通用しない。
いや、すでにとっくに崩れ去っている──
✔︎ 今の市場は、「技術がある」だけでは誰も振り向かない
✔︎ 調達担当者が情報収集をする際は、まずはネットで調べる
✔︎ 顧客は営業と会う前に、すでに8割の意思決定を終えている
つまり──
「伝わらない技術」は、存在していないのと同じだ。
「技術はあるのに売れない…」という現実
「技術はあるのに、なぜか売れない……」
そう感じたことがあるなら、あなたは決して一人ではない。
この悩みは、半導体業界に限った話ではない。
国内の中堅・中小製造業の、ほとんどが抱えている共通の課題だ。
✔︎ 展示会に出たのに、名刺交換だけで終わった
✔︎ 頑張って技術ブログを書いたが、アクセスは雀の涙
✔︎ ホームページは立派なのに、問い合わせはまるで来ない
✔︎ 結局、営業マンが“足で稼ぐ”以外に手がない
──なぜ、こんなにも成果が出ないのか?
理由は、実にシンプルだ。
「何ができるか」は一生懸命伝えているのに、
「それがどう役立つか」がまったく伝わっていないからだ。
つまり──
あなたが提供しているのは、“スペックの説明”止まりなのだ。
顧客が求めているのは、
「この技術を導入したら、自分たちはどう変われるのか?」という未来だ。
その“価値の翻訳”がなければ、
どれほど優れた技術であっても──見込み客の心には、1ミリも届かない。
「技術」を語るな──「価値」を語れ
顧客が欲しいのは、半導体そのものではない。
その半導体を使ったときに、自分たちの未来がどう変わるかだ。
彼らが本当に探しているのは、こういう情報だ──
✔︎ この半導体を使えば、うちの製品はどれだけ良くなるのか?
✔︎ 品質、納期、コストはどう改善されるのか?
✔︎ この会社と組めば、競合にどう勝てるのか?
──そう。顧客が求めているのは、“スペック”ではなく“変化”なのだ。
つまり、
顧客にとっての利益や成果を提示できていない限り、
あなたの製品は、最初の検討リストにすら載らない。
この問題は、決して大企業だけのものではない。
むしろ、中堅・中小企業こそ、
製品の“伝え方”を変えるだけで、状況をひっくり返せる。
なぜか?
それは──
中堅・中小企業には
「柔軟に動ける意思決定スピード」と、
「顧客企業の現場に近い視点」があるからだ。
予算も人員も限られているからこそ、
伝え方を工夫するだけで結果が変わる。
“営業頼り”から抜け出せ──「選ばれる企業」へ進化せよ
中堅・中小企業は、時間も人手も限られている。
だからこそ、マーケティングという“てこ”が必要なのだ。
営業マンの根性と人間力に頼る時代は、もう終わった。
今、この瞬間にも──
そのモデルは、静かに、しかし確実に限界を迎えている。
・「展示会に出ること」が目的になっていないか?
・「うちは営業が頑張ってるから」で思考停止していないか?
・「知られる努力」「選ばれる設計」を後回しにしていないか?
──もし、ひとつでも心当たりがあるなら、今すぐ方向転換せよ。
あなたの会社には、他社にはない確かな技術がある。
だが、それが正しく伝わらなければ、存在しないのと同じだ。
まずは、“伝え方”を変えることから始めよう──
✔︎ 難解な技術用語を、顧客の言葉に翻訳せよ
✔︎ 営業資料を、課題解決のストーリーに書き換えよ
✔︎ ホームページの一行目から、「技術」ではなく「価値」を打ち出せ
これは、広告でもPRでもない。
これは、売る“仕組み”の話だ。
マーケティングとは、「売れる仕組みを自社で設計すること」である。
そしてそれこそが──
あなたの会社を、
競合との熾烈な価格競争から脱却させ、
“選ばれる企業”へと変える最短ルートなのだ。