売上が伸びない──その原因は「支払い条件」にある

もしあなたが──

「技術には自信があるのに、なぜか売上が伸びない」
「競合と条件は同じか、むしろこちらの技術力のほうが高いのに勝てない」
「新規顧客が増えず、売上が横ばいのまま止まっている」

そう感じているのなら、まず疑うべきは営業のスキルではない。
社員のやる気でもない。ましてや、景気や価格競争のせいでもない。

あなたの会社の“当たり前の営業手法”そのものが、
売上の足を引っ張っているのだ。
中でも最大の盲点は、「支払い条件の提示方法」にある。

そう──
あなたが親切心で提案しているその「分割払い」こそが、
実は自社の成長を密かに止めている“静かな毒”なのだ。

「分割請求」は、あなたの会社を殺す“静かな毒”である

一見すると、分割払いの提案は良心的に見えるかもしれない。
「顧客の負担を減らす」「契約が取りやすくなる」──
そう思っている企業は多いが、実際は自分たちの首をじわじわと締めているのだ。

なぜか?

分割請求とは、キャッシュフローを腐らせ、
事業スピードを奪う“慢性病”であるからだ。
放っておけば、確実に競争力を失っていく。

あなたが今のまま分割請求を続けると、こんな悪循環が始まる──

・資金が細切れになり、広告・展示会などの販促活動に投資できない
・投資できないから、契約終了と同時に売上がストンと落ち、新規見込客も途切れる
・案件がないので、条件の悪い・利益の薄い顧客とも契約せざるを得なくなる
・分割払いだと顧客の決断が遅れ、競合との比較検討に巻き込まれる

こうして、売上が減り、集客が止まり、価格決定権まで失うのだ。

つまりあなたは今、
“弾切れの状態で最前線に立たされている兵士”のようなものである。
撃ち返す資金も、撤退する余裕もない──ただ“負け”を待つしかない状況だ。

しかも、この分割払いという仕組みは、競合のほとんどが採用している。
ということは──
あなたは、価格も条件も似た者同士がひしめく凡庸な土俵に、
自ら登っているということになる。

技術力も契約条件も横並び。
残された勝負手は「営業力」だけ──

そんな消耗戦に突入して、本当に勝ち残れるのか?
勝てるはずがない。

「分割」と「一括」──両方提示せよ。
ただし、主導権は必ずこちらが握れ

では、どうすればよいのか?
答えは、極めてシンプルである。

「顧客に選ばせつつ、こちらが主導権を握る」──
それが営業の基本原則だ。
そのために、やるべきことは次の3つである──

✔︎ 分割払いと一括払い、両方の見積を必ず提示せよ
✔︎ 一括払いには、10~20%の明確な値引きインセンティブを設けよ
✔︎ 一括払いを選んだ顧客には、次回契約時に5%の追加割引を約束せよ

なぜ、分割払いと一括払いの「両方」を提示するのか?
それは、「選ばせる」ことで顧客に納得させながら、
最初から“一括払いを選ばせる流れ”をつくるためである。

「お得なら、まとめて払おう」──
顧客は自ら選んだつもりで、一括払いに誘導されていく。
そしてその瞬間、あなたの会社にはまとまった資金が一気に流れ込む。

これこそが、勝負の分かれ目だ。

そしてその資金を、すぐにWeb広告・動画制作・展示会出展に投じよ。
「案件が切れる前に次の案件を獲る」──その仕組みを構築するのだ。

つまりこれは、単なる“請求方法の違い”ではない。
キャッシュがキャッシュを呼び込む、攻めの資金循環モデルの起点なのだ。

もはや、「受注が途切れたから値引きする」だの、
「広告費が足りないから静観する」だのという言い訳は許されない。

一括請求で得た資金こそが、
あなたの会社のマーケティングを“攻め”に変える、最強の武器なのだ。

キャッシュを握れ。競合より先に“次の顧客”を奪え

今の時代、営業力だけでは勝てない。
どれだけ速く資金を回収し、それを「次の一手」に変えられるか──
すべては、そこにかかっている。

忘れてはならない。マーケティングとは「顧客に売り込む技術」ではない。
それは、「顧客に、自社にとって有利な条件で買わせる仕組み」をつくることだ。
そしてその核心にあるのが──キャッシュの回収速度である。

✔︎ 早く現金を手に入れた企業は、すぐに投資し、次の顧客を先に奪う
✔︎ 回収の遅い企業は、弾切れのまま“静観”し、競合に優良客を奪われていく

ゆえに言おう。
一括請求できない企業は、マーケティングを知らないのと同じである。

なぜなら、資金がなければ
「集客」も「提案」も「受注」も、ただの幻想にすぎない。
これは戦略ではない──もはや“物理法則”である。

だから、顧客にはこう言い切れ──
「お支払いは分割も可能ですが、一括なら20%お得になります」
その一言が、“営業の主導権”をあなたの手に取り戻す。

間違っても、こう言ってはならない──
「分割でよろしいでしょうか?」「一括でも大丈夫ですか?」
そんな“お伺い営業”に、未来はない。

商談とは、相手の顔色をうかがう場ではない。
それは、顧客の利益と自社の利益を両立させる条件を、
堂々と提示するための“話し合いの場”なのだ。

今、商談中の顧客から、“次の顧客を奪うための資金”を引き出せ。
Web広告に、展示会に、ホワイトペーパーに──そのキャッシュを全投入せよ。
資金力で劣る中小半導体企業こそ、「支払い条件」で戦え。

これこそが──
あなたの会社が、レッドオーシャンで勝ち続け、
次の案件をつかむための唯一の営業戦略である。