もしあなたが──
「うちの社員は何でもある程度できる。総合職として採用しているから当然だ」
「ジェネラリストだからこそ、柔軟に動ける。幅広い知識を持ってこそ一流である」
「ジョブ型なんて非人間的。適性を見て配属する“メンバーシップ型”こそが最強だ」
──などと本気で信じているのなら、今すぐその幻想を捨てよ。
それは、ただの誤解ではない。
企業をじわじわと腐らせる“制度という病”である。
それでもなお、多くの企業が、「柔軟な人材配置」や「長期的な育成」といった
聞こえのいい言葉を並べ、実態は変わらぬ旧態依然の採用と人事制度を、
あたかも合理的であるかのように正当化している。
そして、半導体企業に限らず、日本の製造業の多くが、
「まずは総合職で一括採用し、適性は入社後に見極める」と語り、
それをまるで“人を大切にする経営”の証であるかのように誇らしげに掲げている。
だが──その結果、何が起きているのか。
入社から3年が経っても、半数近い社員が戦力として機能できず、
現場の足を引っ張る“戦力外人材”として、組織に居座り続けることになるのだ。
だからこそ、はっきりと言おう。
もしあなたが、販売力を本気で強化し、売上の最大化とコストの最適化を実現、さらには
マーケティングを機能させたいと考えているのなら──総合職制度は、今すぐ廃止せよ。
そうでもしなければ、現場の崩壊は止められない。
“制度疲労”はすでに限界を超えており、放置すればするほど、
組織の生産性も士気も、そして未来さえも確実に失われていくのだ。
そもそも、“何でも屋”にマーケティングは務まらない
少し立ち止まって、考えてみてほしい。
そもそも、マーケティングとは何なのか?
それは、単なる「広告」や「展示会」のことではない。
市場を読み、顧客心理を掌握し、オフラインとオンラインの戦場で競合を叩き潰す──
知略と分析、実行力が融合した「戦略の結晶」である。
では、あなたの会社の総合職に、その役割が果たせるだろうか?
──絶対に無理だ。断言する。
なぜなら彼らは、
✔︎ 数年ごとに異動を繰り返し、
✔︎ 何ひとつ専門を深く掘り下げることなく、
✔︎ 浅い知識と、“なんとなくの調整力”だけで評価される──ただの“何でも屋”だからだ。
それはまるで、
サッカーのミッドフィルダーを、3年ごとにフォワード、ゴールキーパー、
センターバックへと順番に配置換えしているようなもの。
どこに置いても、それなりには動ける。
だが──決定打は放てない。守ることもできない。点も取れない。
そんな人間が、市場という修羅場で勝てるわけがない。
無知な司令官=総合職が、会社の予算を食いつぶす
「広く浅く」──総合職制度の最大の罪は、まさにここにある。
意思決定を下す立場の人間が、何ひとつ深く理解していないという致命的欠陥だ。
そして、そのような“浅知恵の指揮官”が、
会社の売上を左右するマーケティング部門に配置された瞬間──
その被害は、一気に致命的なレベルへと跳ね上がる。
では、現実に今、何が起きているか?
たとえば──
・経営者がマーケティングの本質を理解しないまま、「とりあえず、
生田絵梨花を起用したテレビCMを作れ」と思いつきで指示 →(株)ADEKA
・顧客心理を一切無視。「CMのターゲットは“視聴者全員”だ」と
臆面もなく豪語 → ミネベアミツミ(株)
・費用対効果の測定すら行わず、「良いCMができたからOK」と
成果確認もせずに管理職が自己満足 → (株)レゾナック
──これはもはや、
戦況も、地形も、兵器の性能すら把握していない最高指揮官が、
部下に向かって「木刀と竹槍で突撃せよ」と命じているのと同じである。
勝てるはずがない。
いや、負けるべくして負けている。
それでもなお──経営層が、「総合職」という“無知をエリートだと勘違いした人材”を、
何の疑問も持たずに登用し続ける限り、マーケティング部門には、
根拠なき自信だけをまとった浅知恵の司令官が、次々と送り込まれ続ける。
結果、どうなるか?
・CMからの資料請求数も、
・CMからの問い合わせ件数も、
・CMの売上への貢献度も──
何ひとつ測定できない。いや、測定しようとする意志すら、彼らには存在しない。
それでも予算だけは流れ続ける。
社会貢献活動、女子ゴルフのスポンサー、有名人を起用したCM、大規模な記念式典──
“測れないもの”のためだけに、数千万円単位の金が静かに溶けていく。
そして今日もまた、何の成果も生まない“マーケティングごっこ”が、
「それっぽい空気感」だけをまといながら、
誰にも疑問を持たれることなく、惰性のように繰り返されていくのだ。
総合職×メンバーシップ型が招いた、人材育成の完全破綻
ここで、ひとつはっきりさせておこう。
あなたの会社も──ADEKA、ミネベアミツミ、レゾナックと同じ病を抱えている。
ただ、その現実にまだ気づいていないだけだ。
「どうして、うちには優秀なマーケティング人材が育たないのか──」
もし、あなたがそう感じたことがあるのなら、考えるべきは“人材の質”ではない。
本当の問題は、育たないことが前提となっている“制度そのもの”にある。
その仕組みの正体とは──
メンバーシップ型と総合職制度が組み合わさった、
日本企業特有の旧来型人事システムが行き着いた“機能不全の最終形”である。
では、どうするべきか。
答えは極めてシンプルだ。
今すぐ、以下の4つに着手せよ。
1. 総合職制度の即時廃止
2. マーケティングは専門職として別枠で採用(新卒・中途いずれも)
3. 営業・技術とは独立したキャリアパスと評価制度を構築
4.「3年で異動」などという愚策を捨て、10年単位でプロを育てる体制を整備する
──これこそが、あなたの会社を再生させるための、唯一にして現実的な打ち手である。
「いや、ウチには“総合職文化”という長年の伝統があって……」
──そう反論したくなる経営者もいるかもしれない。
だが、その“伝統”こそが、あなたの会社の未来を
奪っているという現実に、目を向けるべき時だ。
今この瞬間に動かなければ──
10年後、あなたの会社は「人が足りない」では済まず、
「組織が動かない」致命的な状態に陥るだろう。
その理由は、もはや明らかだ。
資金力のある大企業は、営業部隊を大量に投入し、
圧倒的な物量で市場を制圧してくる。
だが、あなたの会社には、その戦い方はできない。
だからこそ必要なのは、“少数精鋭”で成果を出す戦略である。
たとえば──
✔︎ 人を増やさずに売上を伸ばす
✔︎ 限られた人材で販売力を最大化する
✔︎ 削減したコストは、将来の競争力を高める投資に回す
そして、この戦い方の中核を担うのが、
専門性を磨き抜いたマーケティング人材なのである。
だからこそ、限られたリソースで戦う企業にとっては、
事業の成果を大きく左右するマーケティングに、
勝てる人材を重点的に配置することこそが、何より重要な経営判断となる。
資金力で劣るあなたの会社が、
この厳しい市場で生き残るための道は、それ以外に存在しないのだ。
「総合職」という病が、企業を壊す
あなたの会社にとっての「総合職」とは何か?
それは、あらゆる分野に精通した“万能型の優秀人材”を育てる制度ではない。
むしろ──どの分野でも中途半端な人材を大量に生み出し、
会社の中枢機能を静かに腐らせていく“劣化装置”である。
そして今、
メンバーシップ型 × 総合職制度という“組織毒”のもとで育った人材たちが、
管理職となり“根拠なきマーケティングごっこ”を繰り返している。
しかし、もっとも深刻なのは──
その施策が間違っていることに、誰も気づいていないという事実だ。
ミネベアミツミ、ADEKA、レゾナック、ラピダス──
彼らはマスコミの取材に対して、こう胸を張る。
「私たちは、最高のマーケティングをしています」
──そこに、疑問を持つ者はいない。
誰も、自分たちの誤りに気づいていないのだ。
それはなぜか?
広く浅い経験しか持たない総合職人材では、
マーケティングの全体像や成果との因果関係を正しく捉え、
戦略の誤りを見極めて修正する力が育ちようがないからだ。
当然のように、広告代理店の的外れな提案にも、
コンサル会社の表面的な資料にも、
ただ頷いて受け入れるだけで、疑問を抱くことすらしない。
仮に社内に、マーケティングの本質を理解し、
的確に指摘できる人材が現れたとしても──
彼が「その施策は明らかに間違っている」と発言した瞬間、
総合職人材たちは彼を“異端者”と見なし、マーケティング部から排除する。
これこそが、総合職体制のもとで静かに進行していく、
企業劣化の典型的なプロセスである。
だからこそ、最後にはっきりと伝えたい。
あなたが本気で売上を伸ばしたいと願うのなら──
「営業を増やす」「研修を手厚くする」「社員の定着率を高める」
といった表面的な施策に時間をかけている場合ではない。
今こそ着手すべきは、時代遅れとなった人材制度の抜本的な見直しである。
すなわち──総合職制度を、即時に廃止せよ。
マーケティング部門から、ゼネラリスト人材を排除せよ。
“制度”という名の病巣を、企業の中から徹底的に切除せよ。
それこそが──
あなたの会社を、“何でも屋の墓場”から、
“プロフェッショナルの砦”へと変貌させる、唯一の道である。