もしあなたが、

「展示会に出ないと高齢上司がうるさいから出展している」
「なんとなく、毎年の“業界恒例行事”として出展している」
「“頑張ってます感”を演出するために100万円を使っている」

──そんな状態に心当たりがあるなら、今すぐその思考と、その予算配分を見直せ。

展示会への出展は、
半導体企業のマーケティング担当者が、
自身の“やってる感”を演出するための
最も高価な儀式である。

軽く100万円はかかる。だが、得られるのは“名刺の束”だけ。
営業はその名刺を手に、「とりあえず架電」──そして、終わる。

時間は溶けた。
見込客は育たず。
売上はゼロ──まさに三重苦だ。

これは机上の空論じゃない。
現場で毎年繰り返されている“悲劇”である。

しかも、あなただけの話ではない。
日本の半導体企業の多くが、
いまだにこの「展示会依存症」という病から抜け出せずにいるのだ。

なぜ、展示会にいくら出展しても「売れない」のか?

理由は明白だ。
展示会が、名刺を集めて“仕事をしたフリ”をするイベント
成り下がっているからだ。

あなたやあなたの同僚も、
名刺を集めて、それで満足していないだろうか?

「去年より30枚多かった」
「あの有名企業の人が立ち寄った」
「ノベルティのボールペンが好評だった」

──そんな話を、まるで“成果”であるかのように上司に報告していないか?

だが問いたい。
その名刺の山に、“本当に顧客になり得る人物”は何人いた?
5人か? 3人か? いや──ゼロかもしれない。

現場を見れば答えは出る──

✔︎ 立ち寄ったのは学生。
✔︎ 話を聞いていたのは同業者。
✔︎ 名刺を渡してきたのは競合の営業。
✔︎ あなたの会社に興味はないのに、その場のノリで名刺交換。
✔︎ パンフレットは受け取られたが、そのままゴミ箱行き。

そう──展示会に集まるのは、冷え切った見込み客。
いや、顧客ですらない人間たちが、堂々とブースを回遊しているのだ。

見込み客には“温度”がある。展示会はその“最低気温帯”だ

見込み客は、すべてが同じではない。
彼らには、温度差がある。

✔︎ 今すぐ導入を検討している「ホット」な客
✔︎ 情報を集めてはいるが、まだ迷っている「ウォーム」な客
✔︎ なんとなくブースを眺めて通り過ぎるだけの「コールド」な通行人

──そして、展示会で獲得できる名刺の多くが「コールド」である。

つまり、営業がその名刺に電話しても返ってくるのは──

「え、何の話でしたっけ?」
「今は検討してないです」
「上に伝えておきますね(=ゴミ箱行き)」

まるで、氷点下の地面に水をまくような行為だ。
反応は返ってこない。熱は生まれない。
これはもう、営業の消耗戦でしかない。

解決策はただひとつ──「見込み客を育てる仕組み」に金を使え

展示会にかける100万円──
その同じ予算で、30~50人の“温度の高い見込み客”が獲得できる。

どうやるか?方法は明確だ──

✔︎ ランディングページを作れ
✔︎ Web広告を打て(検索広告・ディスプレイ広告・SNS広告)
✔︎ 製品・サービスに興味がある人間だけを集めろ
✔︎ 問い合わせ・資料請求に確実に誘導せよ

ここで集まるのは、
現状に課題を感じ、情報を求め、自ら行動している人間だけだ。
つまり──本気の客

しかも、この方法は見込客を集めるだけじゃない。
そこからさらに、見込客を“育てる”ことができる。

たとえば──

✔︎ 技術資料をダウンロードさせる → 直後に週3回のメルマガ配信を開始
✔︎ ウェビナーに誘導する → 導入事例を紹介し、契約意欲を高める
✔︎ デジタルツールで顧客を分析 → 営業に“ホット”な顧客だけを渡す

この仕組みを整えれば、営業は“効率よく決まる商談”だけに集中できる。
生産性の向上は2~3倍どころではない。

「営業が売りこむ」のではない。
「顧客が買いに来る」流れができるのだ。

「出る」か「売る」か──今、選ぶべきはただ一つ

展示会に100万円を投じるか?
それとも、その100万円を使って30~50人の“本物の見込み客”を獲得するか?

さらに──
その見込み客と、ウェビナーやメルマガを通じて信頼を築き、
“売りこまなくても、買いたくなる状態”にまで温めたうえで、
営業にバトンを渡すことができるか?

あなたの会社は、「展示会に出るべきか?」で悩んでいる場合ではない。
問うべきは1つ──「その出展費用は、売上に直結するか?」である。

展示会は、昭和の戦法だ。
“技術を見せる場”としての価値はあっても、
“売るための戦略”にはならない。

時代は変わった。
令和の戦場で勝つのは、展示会ではなく、
勝ち筋を知り、再現できる仕組みを持つ企業だ。

たとえば──

✔︎ ランディングページを制作、インターネット広告を運用し、
 見込客に自社の存在を知らしめる

✔︎ 見込客の温度を上げることを目的とした「育成」と、
    それを実行するための「デジタルツール」 を導入する

✔︎ 興味のある相手だけに集中するための「ターゲティング」と、
    見込客の温度を見極めて無駄なアプローチを減らす「温度管理」を徹底する

──こうした仕組みを整えた企業こそが、これからの時代も勝ち続ける。

会場で名刺をばらまいていれば、案件を受注できていた時代は、もう終わった。
これからの勝者は、ターゲットを絞り、顧客を育て、売上につなげる企業だ。

今こそ、覚悟を決めろ。

“出る”時代は終わった。
これからは、“売る”ための仕組みを持つ企業だけが勝ち残る。

展示会は捨てろ。
マーケティングに、全集中せよ。