もしあなたが、

「うちはホームページに設備情報も設計図も載せている。だから十分だろう」
「必要な情報はすべて出している。図面を見れば、分かってもらえるはずだ」

こう思っているのなら──その思考は今すぐ捨てよ。

その考えこそが、
売れない製造装置メーカーに蔓延する“慢性病”である。

いや、遠回しな表現はやめよう。
これは、“致命的な錯覚”だ。

そしてその錯覚は、
あなたの会社を静かに腐らせ、
最後には終わらせる“毒”である。

顧客は、そのページを読まない。
読んでも──何も感じず、何も覚えず、何も動かない。

想像してほしい。
彼らは、あなたの会社のホームページを開き、3秒でこう判断する。

「ふーん。設備は揃ってるみたいだけど……うちには関係ないな」
──そう言って、容赦無く、“候補”からあなたの会社を除外する。

これが、現実だ。
半導体業界では、“語らない企業”から順番に市場から消えていく。

無人ブースのようなホームページでは──売れない

1度、自社のWebサイトを見てみてほしい。
確かに、設備名、型番、処理能力、サイズ、消費電力、設置寸法…と、
情報は整然と並んでいる。

ぱっと見は「ちゃんと作り込まれている」ように見える。
だが、それはただのスペックの羅列でしかない。
顧客の“知りたいこと”に、まったく答えていないのだ。

あなたの会社のWebサイトは、言うなれば──
製品カタログをそのままWeb上に貼りつけただけのもの。

営業をしていない。マーケティングもしていない。
「売ろうとする意志」も、まったく感じられない。

たとえるなら、それは展示会に出した“無人ブース”と同じだ。
あなたの会社は、展示パネルを並べ、技術資料も用意した。

だが──
誰も呼び込みをしない。説明もしない。質問にも答えない。

そんなブースに、顧客が立ち止まるだろうか?
そこから、商談や売上が生まれるだろうか?

──答えは明白だ。

スペックの列挙は、“敗北宣言”である

なぜ、それではダメなのか?
設備情報や設計図は、あくまであなたの“社内資産”にすぎない。
そのため、顧客にとって、それは──“自分ゴト”にならない情報だ。

顧客企業が本当に知りたいのは、
この装置で、いま自社が抱えている課題がどう解決されるのか?
という“未来のサクセスストーリー”である。

特に、購買の決定権を持つキーパーソン──
経営層、決裁権者、調達責任者が気にしているのは、こうだ。

「このCMP装置は、うちの現行設備と何が違う?」
「このスパッタリング装置を導入すれば、良品率は何%向上する?」
「この洗浄装置、枚葉式とバッチ式では、トータルコストにどれだけ差が出る?」
「今の設備ラインに組み込むには、どのくらいの工数と時間がかかる?」
「この会社、信用していいのか? 導入後のトラブルにも対応してくれるのか?」

──だが、あなたの会社のホームページには、
これらの問いに対する答えが一つも書かれていない。


ただのスペックと設計図、そして設備情報だけ。
誰の心にも届かない。誰の信頼も勝ち取れない。

これはもう、“機会損失”などという甘い話ではない。
ウェブ上で公開された、明確な「敗北宣言」である。

載せるべきは、図面ではなく“変化の証拠”だ

だからこそ、あなたが今すぐにやるべきことは明確だ。

・どのような業界の半導体製造に適しているのか?
・顧客が抱えていた課題は何か?どう解決し、どれほど改善されたのか?
・導入後の現場業務は、具体的にどう変わったのか?
・導入の成果はどうだったのか?数字やデータで証明できるのか?

──これらの情報を、明確かつ具体的にWebサイトに掲載せよ。

つまり、こうだ──

✔ 実際に納品した企業・業界と、その事例を詳細に示せ。
✔ 他社製品との比較データ(歩留まり・電気代・工数)を明記せよ。
✔ 顧客の悩みと、それをどう打ち破ったかを“ストーリー”で語れ。

これこそが、
現代の半導体製造装置マーケティングにおける“最強の武器”である。

スペックや図面、設備情報では、競合との差はつかない。
導入後の成果を「見える化」した企業だけが、選ばれる。

「設計図を載せておけば問い合わせが来る」──
そんな時代は、20年前に終わっている。

未来を語れない製造装置には、誰も金を払わない

あなたのホームページに設備情報や設計図をいくら並べても、
それは“技術紹介”であって、売上を生む営業装置ではない。

売る気がないホームページに、顧客が反応するわけがない。
そんなホームページでは、戦う前から敗北が確定している。

顧客が金を払うのは、“スペック”ではない。
顧客が投資するのは、“期待できる未来”だ。

逆に言えば──
未来が見えない製品には、金を払う理由が1つもない。

図面ではなく、「導入によって現場がどう変わるのか」を書け。
スペックではなく、「それを導入した企業がどう勝ったのか」を示せ。

あなたの会社を救うのは、設備情報ではない。
──伝え方だ。